速記とは
速記とは、簡略化した符号を使って言葉を速く書くことです。
電話や会議のメモをとるときに、とっさに漢字は使わずに、ひらがなやカタカナで書くことはありませんか。自分なりの崩し字や省略記号を使うこともあるかもしれません。どんなに自己流に書いても、後でほかの人に見せるときにはきれいな字で書き直せばよいのです。実は、これが速記の原理です。
仮名は千年前からの速記文字
平安時代にカタカナとひらがなが成立しました。ひらがなは、漢字の草書体がさらに崩れてできた文字です。カタカナは、漢字の楷書体の一部を取り出してつくった文字です。

「安」から「あ」、「阿」から「ア」ができました。
ひらがなは一筆書きのように続け書きしました。カタカナはもともと漢文や経典の読み仮名を素早くメモするために考え出されました。どちらも漢字よりずっと速く書けますから、仮名は日本人が千年も前から便利に使ってきた速記文字とも言えます。
速記のしくみ
速記で使う文字のことを速記符号、または速記文字と呼びます。
これは仮名を一文字ずつ符号に置きかえたものではありません。音を符号であらわしたものです。例えば「今日」は、仮名では「き・ょ・う」と3文字になりますが、速記では「きょう」という符号を一つ書くだけです。速記では、原則的にひとまとまりの音(1音節)に対して一つの符号があります。
速記符号(速記文字)は、線の対照を利用して五十音がつくられています。曲線か直線か、水平か斜めか、長いか短いか、大きいか小さいか、濃く書くか薄く書くか等で音の違いをあらわします。
例えば衆議院式ではヒは
と書きますが、ヒの倍の大きさの
はハです。しかし、符号を大きく書く癖があって、どうしてもヒがハになってしまうなら、ハはさらに大きく書けばよいのです。自分さえヒとハの区別がつけば問題ありません。速記符号は他人に読ませるものではありませんから。ただし、余り大きな符号はスピードが出ないので、速記者は小さい符号を書くように心がけています。
速記符号はこのように続けて書きます。

「おはようございます。」(衆議院式)
速記とは、こうしたさまざまな工夫を凝らして言葉を速く書き取り、その後、普通の文字に書き直す(これを反訳と言います)ことなのです。





